胃内視鏡検査・大腸内視鏡検査の同日検査について

当院では、胃内視鏡検査(上部消化管内視鏡検査)と大腸内視鏡検査(下部消化管内視鏡検査)を同じ日に受けていただくことが可能です。

同日検査を行うことで、通院回数や検査前の準備を減らすことができ、患者さんの負担軽減につながります。また、消化管全体を一度に確認できるため、効率的な検査が可能です。

一方で、同日検査は胃内視鏡検査のみ、大腸内視鏡検査のみの場合と比べて検査時間が長くなり、前処置(下剤の服用)や鎮静剤による身体への負担も大きくなります。

そのため当院では、患者さんの安全を最優先に考え、事前の診察・問診の結果をもとに同日検査が適切かどうかを判断しております。

特に、ご高齢の方や心臓・肺・腎臓などに持病のある方、全身状態に不安のある方では、同日検査による負担が大きくなる場合があります。このような場合には、胃内視鏡検査と大腸内視鏡検査を別の日に実施することをご提案させていただくことがあります。

同日検査をご希望の場合でも、診察の結果によっては安全面を考慮し、検査日を分けてご案内する場合がありますので、あらかじめご了承ください。

当院では、患者さんのご希望を尊重しながらも、安全性を最優先に検査方法をご提案いたします。ご不明な点がございましたら、お気軽にご相談ください。

同日検査のメリット

① 通院回数が少なくて済みます

胃内視鏡検査と大腸内視鏡検査を別々の日に行う場合、検査のために2回ご来院いただく必要があります。同日検査であれば、1回の来院で両方の検査を終えることができます。

② 検査前の食事制限が1回で済みます

検査前の食事制限や準備を別々に行う必要がなく、患者さんの負担を軽減できます。

③ 鎮静剤を使用する場合も1回で済みます

ご希望により鎮静剤を使用する場合、1回の投与で胃と大腸の両方を検査できます。

④ 消化管全体を一度に確認できます

食道・胃・十二指腸から大腸までを同日に観察できるため、消化器症状の原因検索や健康チェックとしても有用です。

同日検査の流れ

  1. 大腸内視鏡検査のための腸管洗浄剤(下剤)を服用します。
  2. 腸内がきれいになったことを確認します。
  3. 胃内視鏡検査を行います。
  4. 続いて大腸内視鏡検査を行います。
  5. 必要に応じてポリープ切除や組織検査を行います。
  6. 検査終了後、医師より結果説明を行います。

※検査の順番は、当日の状況や検査内容により変更する場合があります。

注意事項

  • 大腸ポリープを切除した場合は、飲酒や運動などに一定期間制限が必要となります。
  • 心臓病や糖尿病などの治療中の方は、お薬の調整が必要となる場合がありますので事前にご相談ください。

このような方におすすめです

  • 胃がん検診と大腸がん検診をまとめて受けたい方
  • 忙しく通院回数を減らしたい方
  • 胃の症状と便通異常の両方がある方
  • 健康診断で胃や大腸の精密検査を勧められた方
  • 一度にしっかり消化管の検査を受けたい方

費用について

胃内視鏡検査・大腸内視鏡検査は、症状がある場合や医師が必要と判断した場合には保険診療の対象となります。

一方、症状のない方が健康チェックや人間ドック目的で受ける胃内視鏡検査・大腸内視鏡検査は、自由診療(保険適用外)となります。

健診目的で胃内視鏡検査と大腸内視鏡検査を同日に受ける場合も、自由診療(保険適用外)となりますので、あらかじめご了承ください。

大腸内視鏡検査の前処置薬について

~モビプレップ・サルプレップ・ビジクリア・マグコロールの違い~

大腸内視鏡検査では、腸の中をきれいにする「前処置」がとても重要です。腸内が十分に洗浄されていないと、小さなポリープや病変を見逃す可能性があるため、検査の精度に大きく関わってきます。

現在、前処置薬にはいくつか種類があり、患者さんの体格・既往歴・飲みやすさなどを考慮して選択します。当院で採用している前処置薬4種類について、それぞれの特徴をご紹介します。

■ モビプレップ
モビプレップはポリエチレングリコール(PEG)を主成分とした洗浄液で、現在広く使用されている前処置薬のひとつです。比較的少ない量で効果が得られるよう設計されており、従来の洗浄液よりも飲む量の負担が軽減されています。電解質バランスが保たれているため、安全性が高いのも特徴です。一方で、独特の味が苦手と感じる方もいます。

■ サルプレップ
サルプレップは比較的新しいタイプの前処置薬で、低容量で洗浄効果が得られるのが特徴です。飲む総量が少ないため、従来の大量の洗浄液が苦手な方には適しています。ただし、やや刺激を感じる場合があり、患者さんによっては味にクセを感じることがあります。体質や既往歴によっては使用に注意が必要な場合もあります。

■ ビジクリア
ビジクリアは錠剤タイプの前処置薬で、「液体を大量に飲むのがつらい」という方に選択されることがあります。決められた量の水分を摂取しながら内服する必要がありますが、洗浄液の味が苦手な方にはメリットがあります。ただし、水分摂取量はしっかり守る必要があり、腎機能や体調によっては適応を慎重に判断します。

■ マグコロール
マグコロールは従来から使用されている前処置薬で、比較的マイルドな作用が特徴です。腸への刺激が穏やかで、体への負担が少ないとされる一方、洗浄力の面では他剤に比べてやや弱い場合があり、患者さんの状態に応じて使用を検討します。味が比較的飲みやすいと感じる方も多い薬剤です。

【前処置薬の選択について】
どの薬が最も優れているというわけではなく、
・飲みやすさ
・体質や持病
・過去の検査歴
・腸の動きや便秘傾向
などを総合的に判断して選択することが大切です。

当院では、院内で前処置を行う場合はモビプレップ、自宅で前処置を行う場合はサルプレップを基本としてご案内しております。また、患者さんの体質や既往歴、前処置へのご不安などを考慮し、必要に応じてビジクリアやマグコロールによる前処置方法もご提案いたします。できるだけ身体的・心理的な負担を軽減し、安心して大腸内視鏡検査を受けていただけるよう努めております。

大腸内視鏡検査に不安がある方や、前処置についてご心配な点がある方は、どうぞお気軽にご相談ください。

祝・開院1周年

令和7年10月11日(土)、開院1周年を迎えることができました。

当院は高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病などの一般内科はもちろん、内視鏡を用いた胃や大腸の検査、消化器内科(おなかの病気)を得意としております。

また鎮静剤を使用し眠ってできる苦痛の少ない内視鏡検査を心がけており、開院から令和7年9月末までに内視鏡検査を1238件(胃内視鏡検査616件、大腸内視鏡検査622件)行い、胃癌5件(内、早期癌1件)、大腸癌16件(内、早期癌11件)を診断し、大腸内視鏡検査でのADR(大腸内視鏡検査における腺腫を見つけられた患者さんの割合)は35.7%、50歳以上の患者さんのみでは45.5%でした。

地域のかかりつけ医として、また消化器内科の専門医として、地域のみなさまの健康をサポートし、信頼していただけるクリニックとなれるよう、スタッフ一同努めておりますので、今後ともよろしくお願いいたします。

ふれあい・いきいきサロン「医療講演」

こんにちは。

10月5日(日)自治会より医療講演の依頼をいただき、「便秘について」のお話をしました。みなさんにとっても身近な病気であり、興味をもっていただけたようで20人以上の方に来ていただき、便秘の種類、お薬についてのお話をしました。

生活習慣の見直し

 ①朝食後にトイレに行く

 ②適度な運動

 ③ストレスの発散

 ④便意を我慢しない

食生活の見直し

 ①規則正しい食事

 ②十分な水分の摂取

 ③食物線維の摂取(1日25-30g)

が大切であること。それでも不十分であればお薬を使いますが、刺激性下剤は使用方法に注意が必要であることなどをお話しました。

便秘でお困りの方は、ぜひ一度当院にご相談ください。

ピロリ菌について

こんにちは。院長コラムを始めて、長い間、何も追加なくすみませんでした。

記念すべき初めての投稿は、ピロリ菌についてです。

ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)は胃の粘膜に住んでいるらせん型の細菌で、鞭毛という毛が4-8本あり、胃の中で活発に動いています。従来は胃には強い酸(胃酸)があるため、細菌がいないと考えられていましたが、1982年にオーストラリアの医師が発見し、さまざまな研究から、ピロリ菌が胃炎や胃潰瘍、胃癌など、胃の病気に深く関係があることがわかってきています。

感染は口を介した感染が考えられており、共同の井戸水などを介した感染も言われていますが、はっきりとわかっていません。またピロリ菌の感染率は、乳幼児期(5歳以下)の衛生環境と関係あると考えられており、上下水道の普及していなかった世代で高く、若い世代の感染率は低くなっています。 現代は衛生環境がよくなり、大人になってからの日常生活・食生活ではピロリ菌の感染は起こらないと考えられていますので、一度除菌をされた方は何度も検査をする必要はありません。

ピロリ菌に感染すると胃に炎症を起こしますが、ほとんどの人は自覚症状はありませんが、ピロリ菌感染による炎症が続くと、慢性胃炎(萎縮性胃炎)が進行し、胃がんのリスクになってしまいます。また、胃潰瘍、十二指腸潰瘍の患者さんはピロリ菌に感染していることが多く、除菌することで胃癌のリスクが下がり、胃潰瘍、十二指腸潰瘍の再発率も大きく下げることができます。

ピロリ菌の除菌は飲み薬(胃酸分泌をおさえる薬と、2種類の抗生物質を1日2回)を1週間内服するだけで、8割前後の方で成功しますが、除菌が成功したかの確認のため、除菌終了後4週間以上の間をあけて、尿素呼気試験などで確認が必要です。

ただし、健康保険でピロリ菌の検査・治療を行なうためには、下記のいずれかに該当する必要がありますので、ご注意ください。

①胃内視鏡検査や胃透視で胃潰瘍・十二指腸潰瘍と診断

②胃MALTリンパ腫と診断

③特発性血小板減少性紫斑病と診断

④早期胃がんで内視鏡治療後

⑤内視鏡検査で胃炎(萎縮性胃炎)と診断

最後まで読んでいただきありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。